スズキアルトは1979年に発売が開始され、軽ボンネットバンブームの火付け役として大ヒットしてからスズキの看板車種となっていました。
現在では軽自動車の主力がトールワゴンに移行している影響も有り、ワゴンRに看板車種の座を譲りましたが、ハッチバック型軽の主力として生産・販売されています。
現行型は2014年にフルモデルチェンジが実施された8代目となっています。
8代目モデルは原点回帰という考えのもと初代アルトのシンプルさを強く意識しており、650㎏という軽量な車両重量や市販車トップクラスの37.0km/Lの達成を目標に開発されました。
その結果、現行型は先代モデルに設定されていた低燃費特化モデルの「アルトエコ」よりも燃費性能が向上していることもあり、アルトエコは廃止されています。
アルトエコの大きな特徴は燃費性能の高さですが、それを実現するためにプラットフォームの全面的な刷新が行われており軽量化が実現されています。
また、長きに渡ってスズキの軽自動車のリアサスペンションはアイソレーテッド・トレーリング・リンク式が採用されていましたが、軽量化やコスト・走行性能など総合的な性能を比較検討した結果、アルトのFFモデルではトーションビーム式に変更されています。
ボディも軽量化のため高張力鋼板の使用率が引き上げられ、必要な強度を保ちながらも板厚を薄くするなど大きく手を加えられています。
他にも構造も全面的に見直されたことにより軽量化されていますが剛性に関しては大幅な向上に成功しています。
安全装備に関しても充実しており、アルトでは初となるレーダーブレーキサポートや誤発進抑制機能などが用意されています。他にも4輪ABSや横滑り防止装置がセダン全車に標準装備されています。
現行型アルトの最大のトピックスは15年ぶりにホットハッチグレードである「アルトワークス」が復活した点です。
それまでもターボエンジンを装備したスポーツモデルの「ターボRS」が用意されており、軽量ボディを活かしたスポーティーな走りが楽しめましたが、ターボRSは5速AGSのみの設定でマニュアルモデルが無かったことがコアなファンからすると物足りないモデルとなっていました。
しかし、アルトワークスはターボRSよりもトルクの強化を行い、クロスレシオ化した5速マニュアルと専用チューニングが施された5速AGSが用意されるなど、走りへの要求が高い人をも満足させるクルマに仕上がっています。