エスティマは1990年から販売が開始された高級ミニバンです。
初代モデルは「天才タマゴ」というキャッチコピーと、独特の丸みを帯びた未来的な外観を有しており一目でエスティマと分かるデザインとなっています。
従来のワンボックスカーはエンジンを運転席下に置かれていたので前席が一段高くなっていることが常識でしたが、エスティマではエンジンを横に75度傾けることで平床化に成功し、前輪も運転席の前方に置くことで他では例を見ないアンダーフロア型ミッドシップレイアウトを実現しています。
エスティマは商用グレードを用意しない乗用専用となっているので、サスペンションも乗り心地や操縦性に優れる4輪独立懸架方式を採用していました。
この新たなコンセプトによって開発されたエスティマは話題になりましたが、5ナンバーサイズのキャブオーバー型ミニバンが主流だった当時の日本では大柄な車格だったこともあり販売台数は伸びませんでした。
その為、エスティマの全長と全幅を短縮することによって5ナンバーサイズに収め前後のデザインを変更したエスティマ・エミーナとエスティマ・ルシーダが販売されました。
2代目モデルは2000年に登場し、初代モデルと同じく卵形のボディを継承していますがプラットフォームをカムリをベースとしたFF駆動へと変更しています。
そのため、初代ではエンジンのサイズに制限があったので大型化が難しかったのですが、2代目では3000㏄V型6気筒エンジンを搭載することに可能となりました。
車体の寸法は初代モデルとほぼ同一ですが、フロアの低床化によって着座位置が下がっており室内空間に余裕が出来ています。
2代目モデルは初代モデルが販売上の失敗で終わった原因が深く考えられており、様々な改良が加えられた結果、トヨタを代表するミニバンにまで成長を遂げました。
大ヒットした2代目モデルとバトンタッチした3代目モデルは2006年に販売が開始されました。
3代目モデルは2代目の正常進化型となっており、エクステリアも時代の流れに応じた精悍なものになっています。インテリアは2代目が柔らかい曲線基調だったものが3代目では直線基調で広がりのあるデザインとなっています。
3代目エスティマも2代目エスティマと同様に大ヒットモデルとなり、間もなく販売開始から10年を迎える長寿モデルとなっています。エスティマの魅力は他のミニバンが持っていない独特の雰囲気であり、ミニバンの中のミニバンだと呼ばれる所以だと思います。
その為、エスティマの魅了された方は次のクルマもエスティマしか考えられないという方も多く、クルマ好きとしては1度は乗ってみたいクルマです。