トヨタスペイドは2011年に生産が終了した4ドアトールワゴンの「ラウム」の実質的な後継車種で、2012年に登場しました。
最大の特徴は助手席側に開口幅1020㎜・開口高1250㎜の電動スライドドアを標準装備した点です。この開口部が広いドアに加えて、300㎜と低いフロア地上高と段差のないフラットフロアによって抜群の乗降性を誇ります。
また、室内高も1380㎜と子供が立って歩ける高さがあり、助手席も前後に700㎜スライドすることが出来るので、多彩なシートアレンジが魅力です。
スペイドのエンジンには1300㏄と1500㏄直列4気筒エンジンが採用されていて、どちらもCVTと組み合わされています。
また、燃費対策としてアイドリングストップ機能が標準装備されていることから、燃費は1500㏄モデルで22.2km/Lとなっています。
スペイドは助手席側には大きなスライドドアが1枚に対して、運転席は前席と後席にヒンジ型ドアを別個に用意した左右非対称なスタイルをしていますが、これこそが使い勝手の良さを生み出したオンリーワンのパッケージングだと思います。
内部の居住空間は広く、フロントシートは上級車のカムリと同等、リアシートも大型セダン並みの空間を確保しているので長距離の移動も楽で、リアシートにはチップアップ機構が付いているので座面を上げれば、高い室内高を活かして助手席側からベビーカーや自転車をそのまま搭載することも出来ます。
スペイドのエクステリアは直線基調で平面を多用したデザインをしており、シャープな形状をしたヘッドライトと組み合わせたことで、アグレッシブでクールな印象を纏っているので男性が1人で乗っていてもファミリーカーっぽさを少なく感じさせます。
他にもスペイドの名前に因んで、ヘッドライトカバーやテールランプカバーにスペードマークの造形を隠しているなど、遊び心のあるクルマになっているのです。
スペイドは大型のミニバンは要らないがミニバン並の使い勝手を持ったコンパクトカーを探している子育て世代のファミリーにピッタリです。
それは後席の空間の広さを活かして車内で子供が簡単に着替えをすることが不出来ますし、他にも、急な雨の時にでもベビーカーごと後席部分に積めるので、ベビーカーを畳んでトランクに積むという手間も無く赤ちゃんを濡らしてしまうことも少なくなるのは嬉しいポイントだからです。
ここまで実用性に特化したコンパクトカーは少ないので、私はお勧めのクルマだと思います。