トヨタ 86はトヨタ自動車と富士重工業が共同開発を行ったFRレイアウトのスポーツカーです。
名前の86はチューニングのしやすさや、トヨタでは最後の軽量FRスポーツカーとして息の長い人気を誇るAE86型カローラレビン・スプリンタートレノが由来となっており、「自分だけの1台を楽しみながら育てる」精神を継承しています。
2012年に発売を開始した86は1999年に発売されたMR-S以来の13年振りとなる新型スポーツカーで、トヨタ全販売チャンネルで取り扱いがされていますが、全国の各ディーラーから選ばれた1店舗のみが「AREA86」として86の専門スタッフを常駐させて実車の展示や試乗が行われています。
86はスポーツカーの魅力を若年層にアピールするため可能な限り低価格に設定されているので、ベースグレードは199万円と200万円を切る価格となっています。
しかし、快適装備を一通り揃えた標準グレードは価格が50万近く上昇した241万円となっています。
前述したように86はトヨタとスバルの共同開発車ということで開発費も両社から折半されています。
そして車両コンセプトやパッケージングの企画策定とデザインはトヨタが行い、トヨタの案を基にスバルが開発と設計を行いました。
86は「廉価・軽量・低重心」という条件を満たしたライトウェイトスポーツカー実現するため、エンジンにはスバルの水平対向4気筒エンジンをベースにトヨタの直噴技術を組み合わせた新型エンジンが開発され、軽量スポーツカーという性格上、高回転型エンジンの味付けとなっているのでストロークが短縮化されています。
このエンジンをフロントの前車軸よりも後方に縦置きで搭載したフロントミッドシップを実現していて、トランスミッションンは6速MTと6速ATが用意されています。
そして、足回りにはインプレッサのパーツを流用することで生産性の向上とコストカットが図られています。
このようにして完成した86は重心高が460㎜と量販車としては驚くほどの低重心を誇っており、それを活かした軽快なハンドリング性能が自慢となっています。
昨今はスポーツカーにとって厳しい時代になっており、特に普通車で廉価なスポーツカーとなると車種は限られる状況となっています。
しかし、その厳しい状況の中でもトヨタは自動車メーカーとして走る楽しさを86によって提案することで、クルマの魅力を広く発信する重要な役割を担ったクルマになっていると思います。
若い世代だけでなく、昔はスポーツカーに憧れていたという方にも86へ乗って欲しいと思います。