フォルクスワーゲン UP!はフォルクスワーゲンの中で最小のクルマとなり、日本ではルポの後継車となります。
UP!の特徴は大人が4人無理なく乗れる室内スペースを確保しつつ、高い質感と安全性を維持しながら1万ユーロから購入出来ることを目標に開発されている点です。
この目標をクリアするため、ボディの67%に当たる部分に軽量高剛性の高張力鋼板と熱間成形鋼板を採用し、大幅な軽量化を実現しつつも衝突安全性を確保しています。
UP!のボディサイズは小さいですが日本の軽自動車規格より一回り大きく、タイヤもボディの四隅に配置することで室内空間が広く作られているのです。
そしてエンジンには1000㏄直列3気筒DOHCエンジンが採用されており、可動部品の精度を上げることでバランスシャフトを廃して軽量化が行われている点が特徴です。
このエンジンに組み合わされたトランスミッションはUP!専用に開発されたASGと呼ばれる2ペダルMTで、ASGは30㎏以下と軽量でMTの部品を使用することでコストカットを行いつつ効率の良さに優れています。
UP!は低価格実現の為にコストカットの一環として、パワーウインドウはフロント側のみの採用で運転席での集中操作も有りません。そしてリアウィンドウは3ドア車に関してははめ殺しとなっていて、4ドア車はヒンジを支点に数センチ窓が浮き上がり換気が行える程度となっているのです。
他にもドアミラーが手動格納式となっていたり、給油キャップのロックにメインキーが必要になるなど、各所にコストカットの影が見られます。
しかし、安全に関する部分ではコストが掛けられていて市街地走行時に緊急制動を行う「シティ エマージェンシー ブレーキ」が標準装備で用意されています。シティ エマージェンシー ブレーキは赤外線レーザーによって前方10mまでの車両を検知し、必要があれば自動で緊急ブレーキを掛けて衝突の回避や衝突時の衝撃を軽減してくれるのです。
フォルクスワーゲン UP!は低コストのエントリーモデルとして作られたこともあり、国産軽自動車と比較しても快適装備で劣る面も多いです。
しかし、ビートルゆずりのポップなエクステリアデザインは低コストを感じさせず存在感があります。
そして、室内空間も非常にシンプルなデザインになっていますが無駄が無く、高級感ある仕上がりになっていて非常に好感が持てます。
豪華な装備は要らないが中身がシッカリとしたオシャレなクルマが欲しいと思われている方にUP!は最適のクルマと思います。