メルセデス・ベンツ Aクラスはメルセデス・ベンツのエントリーモデルとして1997年に登場したコンパクトカーです。
初代モデルはバッテリーや燃料電池を動力源とした電気自動車として開発されていた経緯があり、「サンドイッチコンセプト」と呼ばれる2階建ての構造をしています。
しかし、燃料電池開発やインフラ整備といった諸問題により開発が遅れ、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンを搭載したメルセデス・ベンツ初のFF車となっています。
その為2階建て構造はそのまま残されていますが、これは前面衝突の際にはエンジンマウントが破壊されることで、床下に重量物であるエンジンやトランスミッションを潜り込ませて、コンパクトな車体でも生存空間を生み出すといわれています。
日本では1998年に1600㏄直列4気筒モデルが登場し、1999年には1900㏄直列4気筒モデルが追加されました。
2004年には2代目へとフルモデルが実施されましたが、基本構造は先代のキープコンセプトとなっていますがサイズが少し拡大しており、サスペンションやトランスミッションといった部分の見直しが行われています。
エンジンも全て直列4気筒SOHCとなり、トランスミッションは5速ATから7速マニュアルモード付CVTへと変更されています。
2012年に登場した3代目Aクラスは全長が400㎜延長され「Bクラス」と同じCセグメント車まで拡大し、Aクラスの大きな特徴だったサンドイッチ構造の採用を見送ったことで話題を呼びました。
3代目モデルのプラットフォームはBクラスと同じものが採用されており、2階建て構造では無くなったこともあり全高が160㎜も下がりました。
この事により特徴的な三角形のフォルムから一転して、スポーティーな印象を持つコンパクトカーへと変貌を遂げています。
3代目モデルでは直噴技術の導入やアイドリングストップ機能、7速デュアルクラッチトランスミッションが採用されるなど環境性能が高められていている他、ハイパフォーマンスモデルとして「A45 AMG 4MATIC」が登場し、365馬力を搾り出す2000㏄直列4気筒直噴 ツインスクロールターボと4輪駆動システムを組み合わせて、0-100km/hの加速が4.6秒という驚異的な性能を誇っています。
Aクラスは「初代・2代目モデル」と3代目モデルでは大きくキャラクターの変更がされています。
3代目モデルは一般的なスポーツハッチとなっていて家族で乗るクルマというよりもパーソナルカーのイメージが強く、逆に初代と2代目モデルは多彩なシートアレンジが可能な点や、柔和なイメージからファミリーカーとして使われるイメージがあります。
しかし、どちらのモデルを選んでもメルセデス・ベンツの高い品質に違いは無く、高級車のエントリーモデルとして満足感の高いクルマだと思います。