マツダ ロードスターは1989年に発売が開始された2シーターのオープンスポーツカーです。
当時のスポーツカーは大排気量の高出力モデルが主流となっていて、ロードスターのようなライトウェイトスポーツカーは消滅の危機を迎えていましたが、発売されたロードスターは発売当年に国内販売台数が9307台を達成し、翌年には世界販売台数が9万3626台を記録するなど、ギネス記録に掲載される程の大ヒットスポーツカーとなりました。
ロードスターの開発は当初、北米に開設していたマツダ・リサーチオブ・アメリカのスタッフの有志の手によって「MGのようなライトウェイトカー」を目標に試作車が作られ、アメリカで実際に試験走行が行われていました。
その後も日本国内の工場の隅で開発は継続され、有志によってマツダ社内で「ライトウェイトオープン・スポーツ」がプレゼンされ、正式な開発の指示を受けたクルマです。
当初は1600㏄直列4気筒DOHCエンジンを採用し、エンジンの重心を前輪の車軸よりも後方に置いたフロントミッドシップを採用し、ガソリンタンクやスペアタイヤのような重量物もホイールベース内に収めるなど、ライトウェイトスポーツカーの胆となる重量バランスを整えることで2名乗車時に50対50という理想的な前後重量配分を実現しています。
サスペンションもマツダでは初となるダブルウイッシュボーン式が前後に採用されていて、1トンに満たない車重と相成って「これぞ軽量スポーツカー」と呼べる痛快なハンドリングが楽しめるクルマに仕上がっています。
1998年には2代目モデルが登場しました。
2代目モデルは初代の改良型となっていて、性能面ではサスペンション・ジオメトリーの見直しと補強が行われています。他にも更なる軽量化を行うため、パーツ単位で無駄な重量を省き見直すことで改良による重量のアップを最低限に抑えることに成功しました。
そして2005年には3代目は登場しました。
3代目ロードスターはプラットホームから全てが一新されましたが、基本的なアーキテクチャーをRX-8と共有していることから車幅の拡大によって5ナンバーから3ナンバーへとなっています。
そして排気量も1600㏄&1800㏄から2000㏄へと拡大されていますが、重量は2代目と比較すると20㎏のアップと抑えられています。
現行型となる4代目モデルは2015年に登場しましたが、新型ロードスターではマツダが推し進めているスカイアクティブの技術が導入されています。
特にボディへの軽量素材の使用比率を3代目の58%から71%へと引き上げられたことにより、初代モデルのMT車と同等の990㎏の車重を実現しています。
エンジンも日本仕様では大幅にダウンサイジングされた1500㏄直噴エンジンが用意されています。
ロードスターの魅力は何と言っても人馬一体感にあると思います。
使い切れるエンジンパワーを活かし、ドライバーのハンドル操作と寸分違わずクルマが追従してくれる感覚はライトウェイトスポーツカーでしか味わえないものです。
この素晴らしい感覚を体験できる国産車はロードスターだけだと思います。