日産エルグランドはライバルのトヨタ・アルファード&ヴェルファイア兄弟に販売台数に差を付けられていました。
しかし日産は「キング・オブ・ミニバン」の称号を奪還する為に現行型エルグランドは、いままでのエルグランドとは大きく異なる存在として生まれ変わりました。
大きく変更された点は駆動方式で旧モデルまでは後輪駆動でしたが、現行型からは前輪駆動方式を採用しています。
そのため、大きくて重たいドライブシャフトが無くなったことによって室内空間の拡大の他にも、ボディの低床化や乗り心地・直進安定性の改善がされました。
エンジンには2500㏄の直列4気筒エンジンと3500㏄のV型6気筒エンジンが採用され、トランスミッションには日産の誇るエクストロニックCVTが用いられており、3500㏄エンジンに関してはCVT車として初めて節目である280馬力に達しています。
ボディの低床化の効果は高く、ミニバンで高速道路を巡航しているとトンネル出口や湾岸部で悩まされる不意の横風に対しても、低重心化によって大きく振られる回数は確実に減っており安定した運転に寄与しています。
他にも乗降性の向上といった普段の使い勝手の面においても役立っています。
マイナーチェンジで凄味が増しました
エルグランドは2014年にマイナーチェンジが行われ、エクステリアに関してはフロントグリルの大型化とクロームメッキのパーツが増えたことによって高級感と共に凄味が増しています。
内装に関しても使い勝手向上の為に車体の全高を上げることなく室内高を25㎜拡大に成功し、現行型エルグランドの弱点とされていたラゲッジルームにも手が加えられました。
それは3列目のシートに240㎜のスライド機構が備えられ、後部のラゲッジボードの高さを150㎜下げる事が可能になったことにより、3列目シートに人が座った状態でも9インチサイズのゴルフバッグが6個積める容量の確保に成功しました。
また新装備としてディーラーオプションに「スマートルームミラー」が用意されました。
スマートミラーとは液晶モニターとルームミラーを任意に切り替えが可能となっており、リアガラス後方に装着されたカメラの映像を液晶モニターに表示することで、ラゲッジルームを荷物で満載の状態にしてもクリアな状態で後方の確認が可能となっています。
これらの新装備や弱点の克服により、更に魅力を増したエルグランドは販売台数でも数字を伸ばすことに成功し、劣勢だったライバルとの差を埋めることに成功したと言えます。