私の独身時代からの愛車、ダイハツ「ムーヴ」は特別仕様車でした。
アルミホイールで、カロッツェリアのスピーカーが後ろ座席上に付いていました。
新古車で走行距離は2km。ピカピカです。
車が急に必要な事情もありましたが、そこが気に入って即決、現金で一括購入ということもあって、思い入れの深い、長い時間を共に過ごした愛車でした。
しかし年月が経ち、私もムーヴも歳をとりました。私は結婚し、子供が2人生まれました。ムーヴはCDが壊れました。CDが壊れるとお気に入りのスピーカーも全く役には立ちません。
そして、旦那さんと子供2人を載せてのドライブは歳をとった軽自動車にはキツかったようです。
坂道を上るときはアクセルを全開、高いエンジンをこれでもかと鳴らしながら登ってくれるのですが、そのスピードは大人と競争したらいい勝負なのではという速さしかでません。
そして子供が少し大きくなってくると、扉の開閉が気になります。
駐車場では急に扉を開けるので、隣の車に傷をつけてしまわないか、いつもヒヤヒヤしていました。
逆に隣に止めた車から、息子と同じくらいの歳の男の子が扉を大きく開き、車に傷がつきました。
愛車に傷をつけられショック半分、うちの息子も娘も同じことをやりかねない、という「やはり、な」的恐怖半分でした。
そして軽自動車の時代はスライドドアへと移行していきました。
私のような主婦の気持ちを見事に掴んだような軽自動車が次々と販売されていきます。
「もう替え時かな。」徐々にそんな気持ちが出始めていたとき、10年目の車検の案内がきました。
ムーブを買ったお店のいつもお世話になっている修理メンテナンスの方から「まだあまり乗ってないけど(走行距離がまだ50,000kmちょっと)、そろそろ替えてもいいかもな。」という言葉で決心をしました。
そこはダイハツの特約店なので、替えるならダイハツの車で軽自動車でスライドドアがいいな、ということで選んだのは「タント」。
これも特別仕様車で、ムーヴ同様アルミホイール。今度の車はフォグランプもついています。広い車内、高い天井、運転席からの視界も高く、ムーヴに乗っていたときと比べると何もかもが全然違います。
それが良いとも悪いとも言いませんが、何か違う世界にきたような、これからは今までとは違う時代に行くんだな、という気がしました。
私の中での車の年表が、歴史が変わりました。ムーヴは3万円で下取りしてくれました。
今ではタントがすっかり私の手足となり、毎日共に過ごす欠かせない相棒です。